地球へ…:シロエとキース
シロエとキースとは、正反対なようで実は似ていたのではと思います。
シロエはキースのことを誤解しており、最後まで「感情のないやつ」、「疑いもなくイライザに同調する」と言っていますが、実はキースはかなり感情的であり、かつ体制に疑問を持ちながらも、それを決して表に出さないだけなのです。
新入生ガイダンスで何度も見ているはずの成人検査のくだりを正視できず思わず外に出てしまうキース、サムの諦めの混じった優しさにイライラするキース、イライザに「全てはあなたの指導者としての素質を理想的に開花させるために計算された告知」と言われて憤りを感じるキース、いつもキースは他の人間よりもずっと感情的です。
恐らくは成人検査によって記憶や感情の操作をされていないため、他の人間よりもずっと人間的だったのがキースなのではないでしょうか。
そんなキースには、あくまでも人間らしくありたいというシロエの切実な願いが理解できたのではないかと思います。
だからこそ、自らの手でシロエを撃墜した後に、涙を流したのでしょう。
逆に、シロエにはキースが全く理解できなかったのだと思います。シロエは、キースが感情に乏しく、体制に疑問や不満を持っていないと考えて、うらやましかったに違いありません。
人は自分に無いものを他人が持っている(あるいは自分の持っているものを他人が持っていない)と、羨むものですから…例えそれが誤解であったとしても。
それにしてもシロエが技術者を養成するエネルゲイア出身でありながら、キースと同じエリートコースへ進んだことも、キースに影響を与えたことも、キースの手で「処分」されたことも、全てコンピューターのプログラム通りだったという設定は、何だか空恐ろしく感じました。
運命と言う、本来は人間の力の及ばないはずの領域にまで、自らの作り出したシステムが関与し操作している…
SD体制下の人間たちは、そのことに気付いてもいないことが、悲しくもあり恐ろしくもあります。


1 件のコメント:
シロエって『ジルベスターの星から』の主人公にそっくりですよね。髪の毛の後ろのほうががはねているところまでも。成人検査前のジョミーもそうだけれどこの型破りで元気のいいキャラクターが大好きです。なにかとキースにからんできて侮辱するような小生意気な子ですが、新年会で自分の作ったロボットをみせて得意になっているところはかわいいですね(小生意気なところもかわいいけど)。それをみている時のキースの優しい顔がとってもすきです。次にキースの前に現れたシロエは心も体も傷ついていました。この時にキースの部屋で行われた二人の会話はドラマチックです。シロエに告げられた「フロア001」でのキースへの「待っていましたよばらまかれたさまざまな告知、サインに導かれてここに来るのを」との言葉にショックを受けました。そのためにシロエはあんなに痛々しい姿にされてしまったの?でしょうか。逃亡したシロエを処理せよと命ぜられたキースはのこころは複雑だったでしょう。キースもシステムに疑問を持っていたみたいだし、システムをはねのけ死んでいったシロエに流したキースの涙が印象的です。こんなにかわいいキャラクターだけに余計に運命が残酷に感じました。それにしても「限りない敗北かそれとも限りない希望なのか?」にはジーンときました。竹宮先生って詩人だな。
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