ジョミー・マーキス・シン

ジョミーとフィシス

ジョミーにとってフィシスは、母であり、姉であり、憧れの女性であったのだろうと思っていました。

でも最近、ジョミーは実はもっと具体的な恋心をフィシスに対して抱いていたのではと気付きました。

グランドマザーの元へ赴くジョミーとキースとは、その途中で交わした会話により、最終的には和解したのだと考えます。

ジョミーが「フィシスはきみのお母さんだ…知っていたか?」とキースに問いかけ、キースが「思慕のような」ジョミーの感情を感じ取ります。

ジョミーは心なしか少し照れた様子を見せていました。

私は、ジョミーの思慕のような感情は、当然ジョミー自身の育ての母、「マム」に向けられたものとばかり思っていました。

でもよく考えてみると、ここで話題になっているフィシスに対する思慕の情なのでは?とも受け取れます。

そう言えば、ジョミーはフィシスに対し、「ジョミーでいい…きみにだけはそう呼んでほしい」と意味深長な言葉を口にしていました。

また、ナスカに永住を希望するミュウが出て来たことで長老たちの怒りを買い、ジョミーが精神攻撃を受けて倒れる直前に、フィシスがジョミーの呼びかけを感じています。

トォニィがフィシスを「地球人と通じて逃げ道を教えた」と責めた時にも、ジョミーは「なぜだっていい、彼女を傷つけるのは許さない」と、かばっています。

今にして思えばフィシスに対して特別な感情を抱いていたからかも…

でもフィシスはブルーの「大切な人」であり、「ミュウの女神」ですから、ジョミーはフィシスに自分の想いを知られることにより、フィシスを困らせたり戸惑わせたりしたくなかったのかもしれません。

ジョミーの心の何と繊細で美しいこと…

竹宮恵子さんの世界の繊細さ、儚さ、美しさは、なかなか他の人には表現できないようで、それが映像化するとどうしても大雑把で緊張感のない、暢気な感じになってしまう原因かもしれません。