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地球へ…

地球へ…は竹宮恵子さん原作で、アニメ化もされた漫画「地球へ…」を原作寄りの視点で熱く語るブログです

Archive for the 'ミュウ' Category

ツェーレン

Author: admin

11 16th, 2011

ジョミーが地球へ向かう時に、ツェーレンに船を託すことは、必然だったと考えています。

ジョミーの心をミュウの中でも一番良く理解できるのは、ジョミーの意志により生まれた存在、ミュウの中でも特殊な、なんとなく浮いた存在であったナスカの子たちだと思うので。

ツェーレンは物語の終盤で、地の底からの叫びを聞き、人類を助けるために地球へ降下することを選びます。ジョミーがテラへ向かう時に、「非常の時にわれわれのことは考えるな……遠い仲間のことだけを考えるように」と言い残したにも関わらず。

ツェーレンには、ジョミーならば同じ選択をしたと分かっていたからでしょう。

遠い仲間-ミュウのことだけを考えず、ミュウであろうが人類であろうが、はたまたナスカの子であろうが、助けを必要としていれば自分を犠牲にしてでも無条件に助けると言う、究極の奉仕の精神ですね。

人類とミュウとの間の境界を、人類ともミュウとも違うナスカの子、ツェーレンが取り払ったことで、それまであった人類とミュウの対立はもちろん、ミュウとナスカの子たちとの間の確執も、取り払われたのだと感じました。

3年以上ブログをほったらかしにしていたら、知らない内にBloggerのシステムが変わっており、WordPressに移行するのにすごい苦労をしてしまいました。頂いたコメントも、全部消えてしまったし(T_T)

3年前に下書き段階で放り出していた投稿が何編かあったので、久々に書いてみました。



01 24th, 2008

地球へ…では地球政府に軍隊があり、地球を防衛しています。
ミュウと人類との全面戦争が始まる前は、何から地球を防衛していたのでしょうか。

ナスカ攻撃の時には、軍人たちが出撃の準備をしながら、海賊退治と演習しかしたことがないと言っていましたね。

地球以外の星で生まれた知的生命体が攻め込んで来ることに備えていたのかと、初めて読んだ時には思ったものでした。

でもそこは周到なグランドマザー、やはりいずれミュウがシステムを、ひいては自分を破壊しにやって来ると予測し、人間を使って自分自身を守るために、強力な軍隊を編成したのでしょう。

コンピューターが人間を駒にして、ミュウを相手にチェスをしていたようなものですね。
ミュウの圧倒的優勢の前に疲弊しながらも、何の疑問もなく戦いに赴き、花と散った人間たち…

戦争を起こして得をする人たちは安全な所にいて、実際に戦闘を行うのは名もない人たちなのだと言うことを戯画化しているのだと思いました。

それにしても冥王星に地球防衛最終ラインの基地があるという設定も、時代を感じさせます。今では冥王星は惑星とみなされていませんものね…



ナスカの子

Author: admin

01 17th, 2008

ジョミーはナスカで、SD体制以降初の「本当の人類」を誕生させました。
お母さんの胎内で育った自然出産児、トォニィたちナスカの子です。

地球へ…第一部の中で、教授が「幸運だな君たちは…ユニヴァーサルの教育を知らずESPエリートとしてここで生まれ育ったとは…」と言っているので、それ以前からミュウたちは自分達の子孫を増やしてはいたのでしょう。

SD体制下の人間と同じ、婚姻によらない人工授精と、人工子宮による方法で…
ジョミーが医師の一人と話をしている場面で、研究室に並ぶたくさんの試験管が描かれていましたし。

ナスカの子たち9人は、人間本来の方法で生まれた「本当の人類」であるだけではなく、「優しく弱く闘いを好まぬミュウに代わって闘えるものを求めていた」ジョミーの意思から生まれて来たので、特別な力を持っていたのですよね。

その力ゆえに、ミュウと言う異端者の集団の中にあって更に、異質な者たちであるナスカの子たち…
竹宮恵子さんはナスカの子たちに、随分と過酷な運命を課したものだと思います。

ナスカの子たちは、自分たちに地球へ向かう意味があるのか、地球へ着いたとしても自分たちに生きる場所はあるのかと悩みます。

ジョミーの「運命に対する悔しさを超えていられる」強さは、結局そんなナスカの子たちを、究極の異端者としての運命をも受け入れ、ミュウの悲願である地球へ向かうために全力を尽くすよう導きます。

ジョミーがアタラクシアに、テレパシーで送った「人間たちに恨みはない それぞれに生きそれぞれに歩いてきたのだ ともに地球を愛し憧れ-だからこそ戦う地球への道を!」というメッセージは、何度読んでも感涙ものです。

ジョミーは、排除され、虐げられた怒りや恨みなど個人的な感情を超越した存在、生きる意義を追い求め、人間とミュウの双方に対して(読者に対しても)、人間とは何かという疑問を突きつける存在であり、すでに一個の人間のレベルを超越してしまっているのですよね。

地球へ…のテーマを体現しているのがジョミーなのだと思います。
ジョミーの運命を受け入れ抗わず、その中で精一杯力を尽くす姿を見て、ナスカの子たちは地球へ向かう意義を見出すのですから。



ミュウ因子(続)

Author: admin

01 11th, 2008

前回ミュウ因子はコモン(一般人)で20人に一人、軍部で10人に一人と書きましたが、その後原作を読み返してみて、誤りに気付きました。

キースはグランドマザーに、一般人よりも軍人の方が高率と報告していますが、具体的にどの位の割合かは口にしていませんでしたね。

20人に一人は、コモンのESP反応陽性率でした。

10人に一人がミュウ因子を持っていて、その内二人に一人はESP反応陽性となると言うことですね…

そう考えると、ミュウ因子は普通の遺伝子じゃないのかも(^_^;)
そういう遺伝形式、どなたか分かる方があれば、ぜひ教えて下さい。