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地球へ…

地球へ…は竹宮恵子さん原作で、アニメ化もされた漫画「地球へ…」を原作寄りの視点で熱く語るブログです

Archive for the '高梨康治' Category

01 18th, 2008

地球へ…が映画になったことについて竹宮恵子さんは、自分の作品の中で地球へ…が一番有名になったのは映画化されたおかげとおっしゃっていました。

一番有名な作品が「地球へ…」なのは、映画化されたされないに関わらず、私には当然と思えます!だって一番の名作だと思うから(*^_^*)

TVアニメが終わった後に初めて映画版を見て、TVアニメがかなり映画の影響を受けていることを知りました。

先に映像化されているものを参考にするのは当たり前としても、映画の悪いところをなぞったかのような作り方が目立ったのは残念でした。

映画版のどこがまずいと言って、編集が悪いことは致命的だったと思います。

緩急も起伏もなく、だらだらとエピソードが続き、枝葉末節に時間を割いて肝心なところを端折ってしまっているので、限られた時間であの深遠なテーマや壮大なストーリーを再現できなかったのですよ…

例えばナスカでミュウたちが平和ボケして、自分たちの本来の目的を見失ってしまい、ミュウとしての能力も退化してしまうくだりを長々とやっているのは、本当に時間がもったいない!

原作ではミュウの平和ボケぶりには、トォニィの誕生の後1ページと、ジョミーが長老たちの怒りの攻撃をまともに受けて倒れる前の1ページ、合計2ページしか割かれていません。

でもジョミーの想いと裏腹に、多くのミュウたちが本来の目的を忘れてしまった事実とその過程とは、十分に伝わります。

TVアニメで、ナスカのくだりに時間をかけていたのは、映画の影響が大きいのでしょう。そう言えば、あのラテンアメリカ風のナスカのテーマも、高梨康治さんが映画の音楽からヒントを得て作ったのだろうと思います。

原作のある物語を映像化する時にはやはり、作者の意図を無視してはならないと思うので、竹宮恵子さんが比重を置いた部分に力を入れ、余分な描写を詰め込み過ぎない時間配分にすれば、もっとすっきりと面白いものになっただろうにと思うのですが…

竹宮恵子さん自身は、監督の思うように作ってもらって楽しんでもらえればとおっしゃって、一ファンとして純粋にTVアニメを楽しんでおられたようで、さすが大作家は度量が違うなあと感心することしきりです(^_^)



12 1st, 2007

地球へ…をTVアニメ化するに当たって、スタッフの方々は、原作通りのストーリーにするのは芸がないと考えたのか、ストーリーに相当な改変を加えていました。

かと言ってオリジナルがああも素晴らしいと、どうやってもそれより良いものは出来ないのですよね。

でもTVアニメで成功だったことの一つは、高梨康治さんの音楽を使ったことだと思います!
高梨康治さんの音楽は、ヴァンゲリスを髣髴とさせるものでした(@_@)

ヴァンゲリスは、炎のランナーやブレードランナーなどの映画をはじめとして、たくさんの映画やドラマのテーマソングを作曲したギリシャ出身の作曲家です。

ほとんどシンセサイザーで作っていると見えるごくシンプルな構成で、主題となるメロディ1種類を発展させて作った音楽は、ヴァンゲリスにそっくりだと思いました。

シンプルで控えめながらも美しい旋律に、時に女性のコーラスが入って切なく、時にギターが加わって感情的にと、とても良い音楽だったと思います。

「冠をいだく者」なんて、メロディの作り方やシンセサイザーの使い方が、炎のランナーそのものでした…きっと高梨さんはヴァンゲリスのファンに違いないと勝手に思ったものでした。

でも一つだけ言うなら、「いだく」は「抱く」と書き、胸に抱くことですが、冠は頭に載せるものですから、正しくは「戴く」と書いて、「いただく」と読むべきなんですが…まっいっか(^_^;)