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地球へ…

地球へ…は竹宮恵子さん原作で、アニメ化もされた漫画「地球へ…」を原作寄りの視点で熱く語るブログです

Archive for the 'アニメ 声優' Category

DVD8巻

Author: admin

03 8th, 2008

地球へ…ブログをこの一か月放置してしまった…あはは…
いや、色々あって(^_^;)

とうとうDVD最終巻が発売されましたね。
Premium Fan Disc 8は、斎賀みつきさんと子安武人さん。

中で地球へ…の打ち上げをやってましたが、斎賀みつきさんがお酒が飲めないと知り、びっくり。
意外と男装の麗人タイプって、お酒一滴もダメって人が多いと思ってるのは、私だけ?

それにしてもヤマサキオサム監督のメッセージに「人間の時代は終わって世代交代の時」とか、「ミュウの指導者と戦って負けることで世代交代を成し遂げた」と書かれていたので、やっと監督の意図が分かりました。

要するにヤマサキオサム監督は、地球へ…を、旧人類と新人類の世代交代の話ととらえていたのですね。

超能力ものでは、一般的にそういうパターンが多いと思うので、無理からぬことだとは思うんですが、ユウイのところで書いたように、竹宮恵子さんの意図は、そんなありきたりの物語を作ることではなかったと思うのですよね…

ヤマサキオサム監督がそういう解釈だったと知って、やっとテレビアニメの最終回の展開の謎が解けましたよ。

あまりにも原作の根底を流れるものとの乖離が大きすぎて、見た時には全く理解できませんでしたけど。

地球へ…は、異なった者同士がどうやって理解し合い共存していくか、また、優れているが故の苦悩をどうやって乗り越えるか、優れているものに与えられた使命とは何か…ということをテーマにしていると思うので、それを誤解してしまってはやはり原作に感動した人を感動させることは無理でしょうね。

Premium Fan Discの中で語られていたように、大変な苦労をして作られたテレビアニメですし、物を作ることの苦労を知らずに出来たものを批評するのは簡単なので、あまり批判する気はないんですけども…



01 1st, 2008

地球へ…のTVアニメを監督したヤマサキオサムさんは、やっぱりソルジャー・ブルーの大ファンだったのですね…

きっとそうに違いないとは思っていましたが、Premium Fan Disc6を聞いて、ソルジャー・ブルーというキャラクターに対するあまりのこだわりに驚きました。

でも、映画のディレクターズカット版が大抵、監督の思い入れだけで、あのシーンもこのシーンもと詰め込みすぎて冗長でつまらないのと同じように、強すぎる個人的思い入れは、物語をつまらなくするだけなのですよね(/_;)

監督がソルジャー・ブルーの熱狂的ファンだったことは、この作品をTVアニメとして現代に蘇えらせたと同時に、単なるキャラクターのための物語にしてしまい、全体を台無しにしてしまったという功罪両方の結果をもたらしましたね…

Premium Fan Disc6の中で、竹宮恵子さんからソルジャー・ブルーへ宛てたメッセージが、杉田智和さんによって読まれました。非常に深遠で感動的なメッセージだったので、つい書きたくなってしまいました。

竹宮恵子さんにとってブルーは憧れの具象化だったのだそうです。

竹宮恵子さんは、実は自分は現実的な人間なので、あまりにも強い憧れは人には見せない、だからブルーは物語からすぐ姿を消してしまったのかもと、書いておられました。

でもその憧れとは、勝手に理想化した男性に憧れる少女のような単純なものではなく、やはり自らがどう生きていくか、その指標となるような存在だったのですね。

非の打ち所なく滅私の心を持ち、ジョミーと言う個性を選び信頼し、全てを託したソルジャー・ブルー。

竹宮恵子さんの「選んだなら信じる、行き着けなくても行く、全てを懸けたら後悔しない、手を尽くしてその身を投じる…そうすればいつか必ず山は崩れ水は流れ出す、それがこの世界の真実」という言葉に、打ちのめされました。

私も幼い頃そのメッセージを受け取り、一度きりの人生、後悔のないように、例え目指す所にたどり着けなくとも、全力で生きるのだと誓ったものでしたよ(T_T)

ソルジャー・ブルーの「地球へ行くのだ…」という言葉が、これからも私に囁きかけるでしょう。

こんな素晴らしい漫画を描いてくれて、竹宮恵子さん本当にありがとう(;O;)



12 9th, 2007

地球へ…のTVアニメのキャストは、ジョミー役の斎賀みつきさんも、シロエ役の井上麻里奈さんも、容姿端麗な女性なのに声は少年としか思えなかったので、マツカの声を聞いた時には、高城元気さんを女性と信じて疑いませんでした。

元気なんて、女性としては変わった名前だなあと思っていました。
まさか男性だったとは(@_@)本当に驚きました。しかも10代の少年かと思いきや、20代後半の男性だなんて…

地球へ…の打ち上げの時に店員さんに女性と間違えられる程、容姿も可愛らしいと知り、そんな男性もいるのかと思ったものです。

高城さんの声も大変はまり役で、マツカの健気で儚げな感じを良く表現なさっていたと思います。あまりに可愛い声なので、キースとマツカの関係が、原作にはなかったような擬似恋愛関係のように感じられたのではないでしょうか。

高城さんは原作が完結した後に生まれ、原作も読んだことがなく、周りの人達の方が地球へ…を良く知っていたので、マツカを演じることがプレッシャーだったとおっしゃっていましたね。

マツカ役に決まった時には本人よりもお母さんの方が大喜びだったとか。

Premium Fan Discを聴いて思うのは、他の声優さんに関してもそうですが、高城さんも年齢より随分と大人だなあと言う事です。

地球へ…に関して、またマツカとキースの関係に関して考察し、マツカを演じるに当たって何を考えていたかを話す高城さんには、同年代の日本の俳優さんにはなかなか見られないような深い人間性と知性を感じました。



12 7th, 2007

子安武人さんは40歳だそうですが、TVアニメでキースが登場した回の声は、ちゃんと14歳に聴こえるから不思議ですね。後半に来るとちゃんと年相応に渋く、人生の疲れもにじませていましたし。

声優さんってすごいと思います。顔を出さないから、幅広く色々な役をこなせるのでしょうね。

Premium Fan Discの中で井上麻里奈さんがキースのことを「そういう純真無垢なキャラが人気出るからむかつくんですよー」と言ったのに対して、「そういうこと気にし過ぎだよ。俺なんか20年以上悪役ばっかだから全然気になんないもん」と答えてました。

確かにあのクールな声なら、キザで二枚目な悪役が似合うかも。

地球へ…には絶対的な正義とか悪とかいう概念は存在しないのですが、何故かキースを悪役と考えている人もいるようですね(^_^;)

そういう位置付けじゃないと思うんですけど…

ミュウの視点に立てば、ミュウを弾圧する地球側のエリートであるキースは悪役なのでしょうが、キースにはキースの立場があり、逆らえぬ運命があり、苦悩の中で彼なりに最善を尽くしてるんですから、色々大変なんですよぉ。

子安さんにとってはキースはずっとやってみたかった役で、大切な役だったとおっしゃってましたが、Premium Fan Discでの壊れっぷりは余りにも豪快でしたね。

ひょっとしたら私立シャングリラ学園のキースの方が、子安さんの素なのかもと思いました。相当壊れてましたが、面白かったです。

女風呂を覗く方法を探せと命令されて、何故か関西弁みたいになっちゃうマザー2号…爆笑しました。



11 26th, 2007

斎賀みつきさんは、スカパー!の特別番組で小学生の頃からの地球へ…ファンだったと話しておられ、私と同じだ!と、ちょっと嬉しかったりします。

でも斎賀さんは、映画から入ったのですってね。

私も、地球へ…は映画にもなったらしいと知ってはいたのですが、トォニィがジョミーとカリナの子供だったらしいと聞き、「ジョミーは永遠の14歳なんだから、絶対子供作ったりしないの(T_T)」と驚き悲しみ、今まで見ようという気になったことはありませんでした。

おそらく映画化するに当たって、恋愛の要素が少し位ないと一般受けしないだろうという商業的思惑があったのでしょうね。

地球へ…がTVアニメになってから、映画のDVDもレンタルされていたので、まあこの辺で諦めて映画も見ておこうかと思い、最近初めて見ましたけど。

斎賀みつきさんの声は、スカパー!でインタビューに答えていたのを聞くと、低めながらも明らかに女性の声なのに、アニメでは本当に少年のような声で、驚きました。

すらりとした長身に中性的な顔立ち、男性と間違えられたと言う話も、何だか納得してしまいます。

TVアニメのジョミーは、原作に比べると幼くて、斎賀さんくらいの声がちょうど良いように感じました。

最初は、わーわーぎゃーぎゃーと大変そうでしたが、ジョミーの成長と共にだんだんとクールな感じに演じておられましたね。

地球へ…のTVアニメは、私の中では「地球へ…が好きな人たちが作ったパロディー版」のような位置付けなので、本編よりもむしろPremium Fan Discの方が楽しめます。

斎賀さんが「私立シャングリラ学園」の中で演じるちょっとおちゃらけたジョミーが、とてもおかしいです(*^_^*)

それにしても声優さんと言うのは、すごい技とプロ意識を持った人たちだなあと、感心してしまいます。だって俳優さんや女優さんが、自らが出演した映画やドラマのパロディをやったりはしませんよね?

例え何かの間違いでやったとしても、絶対にあんなに面白くはならないと思います。

特にソルジャー・ブルー役の杉田智和さんの芸達者なこと!「私立シャングリラ学園」では壊れっぷりも派手で、抱腹絶倒でした。

「コミックリーディング」では一人何役も一度にやっちゃって、それがちゃんとその役を演じた人の声に聴こえるのは、拍手ものでした!おまけに効果音までちゃんと付けてしまって…

あと低周波治療器、私はかなりの間、本当だと思ってました(^_^;)

斎賀みつきさんについて書こうと思ったのに、何故か杉田智和さんの話になってしまった…



11 24th, 2007

セキ・レイ・シロエに対する思い入れを語った流れで、TVアニメでシロエ役をなさった井上麻里奈さんについて少々。

私はTVアニメは子供の頃以来全く見ていなかったので、声優さんのことも全然知りませんでした。地球へ…に出ていた声優さんの中で、名前を知っていたのは浪川大輔さんだけです。

浪川大輔さんは、スターウォーズのアナキン・スカイウォーカー役、ロード・オブ・ザ・リングのフロド役をなさっていたので、名前は知っていました。

でもエンドタイトルを見てリオの声が浪川さんだと知り、声優さんって役に合わせて全然違う声が出せるんだなあと感心しました。

リオの声は、アナキンともフロドとも全く違う人の声に聞こえましたから…

それとキャプテン・ハーレイ役の小杉十郎太さんは、どこかで聞いた声のような気がすると思っていたのですが、グレイズ・アナトミーの心臓血管外科医、プレストン・バークの声の人だったのですね!

小杉さんは、バークの時とハーレイの時とで、ほとんど同じ声だったように思います。なかなか渋くて良い声ですね。

地球へ…のTVアニメで、それぞれの声優さんがみんな役にぴったりの声で、なかなか素晴らしい配役だったと思うのですが、中でもシロエ役の井上麻里奈さんは、出色でした。

シロエが出演した第7話から9話を見た私は、シロエの声が少年の幼さと瑞々しさを残しつつ、聡明で、繊細で、なおかつ怒りと苛立ちを含み、一方でとてもセクシーに感じて、一体この井上麻里奈さんってどういう人だろう?と、ネットで検索してしまいました。

そしてまだ大学を卒業したばかりの22歳の女性と知って、びっくり(@_@)
しかも、何と美しく可憐な容姿…

Premium Fan Disc 3の中では、女の子らしからぬさばさばした面も見せてくれ、またシロエに対する愛着も披露してくれて、嬉しかったです。

私、同性ながら井上麻里奈さんに恋してしまいました(*^_^*)時々麻里奈さんのブログを見に行っちゃう位です…

シロエに井上麻里奈さん以上の適役はあり得なかったと思っています。井上麻里奈さんと言う素晴らしい声の持ち主によってシロエに新しい生命を吹き込んでくれた事に関しては、TVアニメを作った人たちに感謝で一杯です。

でもね、シロエは体制に反抗してはいても、秩序や調和を乱すような子じゃないんです!

人を出し抜いて自分だけ抜け駆けしようとか、そんなセコイことを考えたり、他人を見下したりするような子でもないんです!

ちゃんと友達もいて、人から好かれる子だったんです!

TVアニメのシロエは、やたらと人を見下し、調和を乱し、けっこう嫌な子だったように思います。しかも、シロエはミュウだったということになっており、それはちょっとどうだろ?と私は思いました。

人間でありながらSD体制に反抗し、コンピューターの言いなりになることをとことん拒否したシロエという存在があったればこそ、キースは自分が地球のシステムを護持するために作られた存在で、その運命に逆らうことはできないと知りつつも、ずっと体制への疑問を持ち続けて生きていくことになったのですから…

これがもし、シロエがミュウであったなら、コンピューターによる支配を拒絶するのはある意味当たり前のことで、これ程の影響をキースに与えなかったと思うのですけれど…

でも井上麻里奈さんの演技のあまりの素晴らしさに、ストーリー的には何だかなあと思いつつも、シロエの出てくるくだりを何回も見直してしまった私でした(^_^;)



11 21st, 2007

地球へ…では、人間、ミュウ共に一度も行ったことも目にしたことも無い地球を愛し憧れ、ひたすら地球へ向かおうとします。

原作中では(TVアニメでもそうだったかな)、コンピューターによる洗脳で植え付けられた地球への憧憬がそうさせるのだという設定になっています。

何故地球に関する洗脳がそれ程上手くいっちゃうのかということを考えると、SD体制における「家族」というものと切り離せない関係があると思うのです。

SD体制の下では、子供は全てランダムに選ばれた卵子と精子との人工受精により作った受精卵を人工子宮で出生まで育てた試験管ベビーで、両親は血縁関係の無い養父母です。

原作のはじめ辺りでは、養父母は夫婦ではなく、職業的な保父・保母のペアなのだろうと思っていましたが、読み進んでいくと夫婦のようです(途中で設定を変えたのかも知れませんが)。

ここで重要なのは、現代における養父母と子供という関係を当てはめることはできないということです。

夫婦であろうとなかろうと、養父母はコンピューターの命じるままに職業として子供を14歳まで育てているのですから、あくまでも職業の範囲を超えることはないのです。

むしろ、コンピューターの洗脳に従ってやっている分、現代の保父さん、保母さんよりもずっと、子供に対する人間らしい愛情や愛着は無いはずです。

地球へ…のPremium Fan Discの中で、ジョミー役の斎賀みつきさんも、ブルー役の杉田智和さんも、原作の家族関係はおかしかった、アニメの方がずっと自然だと思ったとおっしゃっていましたが、私にはとてもまずいアレンジだったと思えました。

ジョミーの養父母がやたらとジョミーに対する愛情に溢れているのが、むしろ設定上不自然と感じました。

家族という人間の根源的なものさえも作り物の、まやかしの世界が、SD体制の世界なんだと解釈しています。

TVアニメでは家族関係をきちんと成立させてしまったことで、原作にあるSD体制の不気味さ、非人間性を描き切れず、またミュウ達が地球を目指す動機が希薄になったと考えています。

家族を始めとする愛情を傾ける大切な対象を、離別や死別によって失うことはとても辛いことですが、その暖かい思い出は、意識上だけでなく深層心理にも残り、人格形成に影響します。

たとえテラズナンバーの洗脳によって記憶が消されても、性格は変わっていなかったのですから、子供の頃にきちんと愛情を受け形成された人格は、消滅することはないのです。

愛情の対象を途中で失うこと以上に辛いのは、「本当の愛情を知らない」ことです。

地球へ…の原作では、ジョミーは目覚めの日に「なぜ涙が出るのだろう…悲しくて虚しい…」と独白します。また、最後まで自分の両親が本当に自分のことを愛していたかと、ずっと気にしています。

答えは「否」と分かっていながら…

愛情によって満たされたことが無く、愛情に飢えているからこそ、心から愛を捧げるべき母なる地球に憧れ恋焦がれ、命まで懸けるのです。トォニィが原作で、この気持ちを理解できなかったのは、実の親の愛情を知っていたからでしょう。

地球を第一義と考え、全てを地球のために投げ打つというコンピューターによる洗脳は、この背景によって成立しているのだと思います。

地球へ…を初めて読んだ私は小学生ながらに、作中のミュウ達と人間達の、愛に飢えその代償として地球を目指す悲痛な気持ちを思い涙したものでした。

しかもその憧れの気持ちは、コンピューターによる洗脳によって植え付けられたものだなんて、何と悲しいのでしょう。

すごいと思うのは、作者の竹宮恵子さんの、家族のあり方に対する洞察の深さです。

地球へ…のSD体制下での家族関係は、意図的にこのように描写されたものだと思いますが、本当の愛情を知らないことの悲しさを、20代でこんなに上手く描くとは、一体何者?って思ってしまいます。