機動戦士ガンダム

地球へ…のオリジナリティ

地球へ…が発表された1970年代後半から1980年代前半は、漫画を読むのは子供と決まっていたようです。

私の小学校の担任の先生が地球へ…を読んでいたのは、大人としては例外的なことだったのではないでしょうか。

地球へ…が連載されたマンガ少年は、手塚治虫の「火の鳥」も連載されていた雑誌で、地球へ…もやはり10代の読者を想定していたのだと思います。

それにしては深く難解なテーマを持った作品だと、改めて感嘆せざるを得ません。

ところで地球へ…以降の漫画やアニメには、明らかに地球へ…の影響を受けていると分かるものがありますが、中でも一番有名なのは「ガンダム」ではないでしょうか。

よく、子供を対象とした漫画やアニメで、初めて正義と悪との戦いではない戦争をリアルに描いたのがガンダムだと言われますが、それは間違いです。

Wikipediaによれば、ガンダムが最初に放映されたのは1979年。

その2年も前に地球へ…では、ミュウ対人類と言う、どちらが正義とか悪とかではない、人種、体制、思想信条などの違いによって起こるリアルな戦争と、その中での人間の愚かしさや悲哀が描かれています。

Wikipediaの記載によるとガンダムのストーリーは、ごく普通の少年が運命のいたずらで戦争に巻き込まれ、幾多の苦難を経て人間として成長していくと言うもので、地球へ…から大きな影響を受けていることをうかがわせます。

しかも、ガンダムで言うところのニュータイプとは、進化の一方向として超能力を持った新人種が出現したという、まさに地球へ…のミュウの概念をそっくり借用したものではないですか!

それから以前、風の谷のナウシカのラストは地球へ…のラストとそっくりだったと聞いてWikipediaで調べてみると、ナウシカは漫画のラストで前文明が残した「救世のシステム」を破壊したそうで、それはどう考えてもコンピューター「テラ」でしょう(^_^;)

また、ナウシカを含め複数の登場人物が超能力者であったらしく、それも地球へ…からの影響を否定できないと思います。

後の多くの漫画やアニメに影響を与えた「地球へ…」

調べた限りでは、地球へ…の前には日本にそんな作品はなかったようなので、竹宮恵子さんのオリジナリティには感服です。あのオリジナリティとメッセージを持ったストーリーを20代後半で描いたと言うのですから、神業と言うべきでしょうね(@_@)