キース・アニアン

キースとスウェナ

キースは教育ステーションE-1077の同級生スウェナに淡い恋心を抱いていたと思います。

エリートである自分たちは普通の人のように恋をしたり家庭を持ったりすることはできないのだと、自らを厳しく律するキースは「スウェナ、きみならわかるはずだ」と言っています。

キースに一目置かれ、そう言わせるスウェナは、やはり成績優秀なエリートだったのでしょう。また、女性らしい可愛らしい容姿でもありました。

スウェナが一般人コースへ転入するため宇宙船に乗ってE-1077を出発するのを見送り、キースは「生涯の伴侶か…何か空しい」とつぶやきます。

単に自分がエリートとして生涯独身を通さなければならないというだけではなく、頭脳明晰にして美しい同級生スウェナに対して、特別な感情を持っていたからでしょう。

でもシロエが命を懸けて自分の信念を貫いたのを目の当たりにしても、「心の底の底で何かがうずいている」のを「押し殺すくらいわけはない」キースには、恋愛感情を押し殺すことも大して難しいことではなかったに違いありません。

それにしてもスウェナが宙港の技師と恋に落ち、月日と共にそれが深まり、悩みながらもついにエリートコースを退学してまで結婚しようと決意する過程を、たったの7コマで描写しているのは、素晴らしいの一言に尽きますね。

映画のように簡潔かつ印象的に、スウェナの恋とキャリアとの狭間での苦悩が描かれています。

スウェナの人となりは詳しく描写されていないのに、きっととても魅力的な女性だったのだろう、だからキースも好意を持っていたのだろうと、自然に納得できます。

間違ってもキースへの恋心がかなわないと知り、手近な男性と結婚しすぐ離婚して、SD体制下ではありえない反体制ジャーナリストになったり…以下長くなりそうなので略(^_^;)