グランドマザー

りこうなヤドリギ

地球へ…のテーマの一つに環境破壊があると解釈する人もいるようですが、それは間違いです。

竹宮恵子さんもスカパー!のインタビューに答えて「環境破壊をテーマにすえたつもりはなかったが、何故かそこがクローズアップされてしまって…」とおっしゃってました。

地球へ…の中での環境汚染は、ミュウの存在と同じように、設定の一つであり、舞台装置に過ぎません。

地球へ…を超能力がテーマの物語だと考える人はいないでしょう。なのになぜ、やはり設定の一つに過ぎない環境破壊をテーマだと解釈してしまうのか?

それは現代の人々が、そのように思考をコントロールされているからだと思います。

地球へ…の中の人類が、コンピューターの意のままに操られ、洗脳され、思考力を奪われていたことと、現代人が知らず知らずの内に思考をコントロールされていることとは、とても似ていると思うのです。

地球へ…を読む前から私は、「環境保護」と言う言葉が気にかかって仕方がありませんでした。

人間って地球を保護できる程の力があるの?自分たちを保護してくれている地球を破壊しておいて環境保護だなんて、不遜ではないの?大体、もっと大切な、解決しなければならない問題が世の中にはたくさんあるのでは?といつも思っていました。

セキ・レイ・シロエの「地球と人間との関係はいうなれば、りこうなヤドリギが寄生主を守るなどという大義名分を考えついた ちがいますか」と言う台詞を読んで我が意を得たりと思い、おそらく竹宮恵子さんも、環境保護などと騒ぐ人々を、一歩引いて冷静に見つめているのだと考えました。

グランドマザーは、地球における自分の支配を絶対的なものにするため、人間を洗脳し思考力を奪い、人間としていかに生きるかということよりも、地球を守ること、ひいてはグランドマザーを頂点とするSD体制を死守することを最優先事項と人間に認識させていました。

現代人が置かれている状況と、良く似ています。

地球上では今この時も、思想や宗教の違いなどから理解し合えない人々の間に争いが絶えず、人々は扇動され操作されていることにも、本当の問題はどこにあり、何が大切なのかにも気付かず、疑問を持たずに生きている…

私たち一般人の思考をコントロールしようとする者は、本当の問題が何であるか、気付かれては困るのですよ。

だから、目の前に分かりやすくとっつきやすい問題を提示して見せ、それを重要なことだと認識させることで、本当に重要な問題に目を向けさせないようにするのです。

地球へ…を読んで環境破壊がテーマの一つだと思っている方、危ないですよ…